〔花園から月かげが〕〔はなぞのからつきかげが〕
花園から月かげが 帷をほのかな紫にけぶらせて マダムの室を訪れるとき 絢爛な裝釘を衣た私の詩集は その腕の中で 指輪の役をするだらう 詩集から私は生れ出る 花園を月影にくたくたにぬれながらタキシードの詩人は マダムの幻想にそつと近づく 詩集 …