幼年ようねん
ひるさがり とある大門のそとでひとりの坊やが グライダアを飛ばしてゐた それが五月の八日であり この半島に徴兵のきまつた日であることを 知らないらしかつたひたすら エルロンの糸をまいてゐた やがて十ねんが流れるだらう するとかれは戦闘機に乗 …