遠望えんぼう
さばかり悲しみたまふとや、 わが長く叫べること、 煉瓦の門に入りしこと、 路上に草をかみしこと、 なべてその日を忘れえず、 いはむや君が來し方を指さし、 かの遠望をしたたむる、 あはれ、あはれ、 わが古き街の午後の風見よ。 (厩橋暮日篇より …