ゆく春ゆくはる
おきつ邊かつ鳴る海青なぎ 今手に動ずる胸をおせば 哀愁ことごと浮び出でて たぎつ瀬涙の八千尋沼 ああ世は神祕の影にみちて 興ある歌もつ子等もあるに 何をか若きに眉根ひそめ 執着泣くべくえ堪へんや 例へば人あり花に醉ひて 秋雲流るる夕づつに …