月天讃歌(擬古調)がってんさんか(ぎこちょう)
兜の尾根のうしろより 月天ちらとのぞきたまへり 月天子ほのかにのぞみたまへども 野の雪いまだ暮れやらず しばし山はにたゆたひおはす 決然として月天子 山をいでたち給ひつゝ その横雲の黒雲の さだめの席に入りませりけり 月天子まことはいまだ出 …