隣の花となりのはな
郊外にある例の小住宅向き二軒長屋。形ばかりの竹垣で仕切られた各々二十坪ほどの庭——霜枯れ時の寂寥さを想はせる花壇に、春の終りゆえ、色取り/″\の草花が咲き乱れてゐる。 その庭を、朝七時、両家の主人、目木と久慈とが、何れも歯楊枝をくはへ、手拭 …
題名が同じ作品
隣の花 (新字旧仮名)岸田国士 (著)