○月○日 私はいつものように、まだ川の面や町全体に深い靄のかかっているうちに朝の散歩を急いだ。人に顔を見られることを、これほど嫌うようになったのも、精神的な病気が昂進しているためであろう。平静に思索することが可能なのは、このミルクの海を泳い …
著者 | 酒井嘉七 |
ジャンル | 文学 > 日本文学 > 小説 物語 |
初出 | 「黄色の部屋 第四巻三号」1952(昭和27)年12月10日 |
文字種別 | 新字新仮名 |
読書目安時間 | 約18分(500文字/分) |
朗読目安時間 | 約29分(300文字/分) |
作品に特徴的な語句
漏口