私は岡村純七郎の長男で純太郎といふ名前である。私の家の伝来の風習で長男には必ず「純」の字を通り名として用ひてゐるさうだ。——私が生れた時、私の名前に就いて父は少しは頭を悩ましたらうか、種々な名前を考へたらうか……いや、そんな筈はあるまい。至 …
著者 | 牧野信一 |
ジャンル | 文学 > 日本文学 > 小説 物語 |
初出 | 「早稲田文學 第一九〇号(九月号)」早稲田文學社、1921(大正10)年9月1日 |
文字種別 | 新字旧仮名 |
読書目安時間 | 約17分(500文字/分) |
朗読目安時間 | 約28分(300文字/分) |