何故俺は些う迄性のない愚図なんだらう、これツぱかりの事を何も思ひ惑ふにはあたらない、手取り早く仕度さへすれば二時間も掛らないで出来上る……が、純造は「明日こそは——」と叱るやうに決心した。前々の日に出掛ける筈で既に叔母から旅費はちやんと貰つ …
著者 | 牧野信一 |
ジャンル | 文学 > 日本文学 > 小説 物語 |
初出 | 「人間 第三巻第八号(八月号)」人間社出版部、1921(大正10)年8月1日 |
文字種別 | 新字旧仮名 |
読書目安時間 | 約39分(500文字/分) |
朗読目安時間 | 約1時間5分(300文字/分) |