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『ランプの明滅』
ふりがな文庫
『
ランプの明滅
(
ランプのめいめつ
)
』
試験の前夜だつた。彼はいくら本に眼を向けてゐても心が少しもそれにそぐはないので——で、落第だ——と思ふと慄然とした。と、同時に照子の顔が彷髴として眼蓋の裏へ浮んだ。彼にとつて照子の存在が、彼が落第を怖れる唯一の原因となつてゐたので、然も彼は …
著者
牧野信一
ジャンル
文学 > 日本文学 > 小説 物語
初出
「十三人 第二巻第三号(三月号)」十三人社、1920(大正9)年3月1日
文字種別
新字旧仮名
読書目安時間
約6分(500文字/分)
朗読目安時間
約10分(300文字/分)