今僕の枕元には、ジイド全集の第四巻と久保田万太郎氏の「月あかり・町中」の二部があるのみ。ろく/\本も読めぬ病弱つゞきで、この幾ヶ月、たゞ窓外の風景を眺めるばかりをことゝして、あちこちの田舎ばかりを転々として漸くこゝに落ついたところだ。薬瓶と …
著者 | 牧野信一 |
ジャンル | 文学 > 日本文学 > 評論 エッセイ 随筆 |
初出 | 「文藝通信 第二巻第十一号(十一月号)」文藝春秋社、1934(昭和9)年11月1日 |
文字種別 | 新字旧仮名 |
読書目安時間 | 約2分(500文字/分) |
朗読目安時間 | 約4分(300文字/分) |