冬日抄とうじつしょう
(手紙を書く) * 空想は自然の隈どりだ、櫟林の奥で捕獲した一個のムラサキ蝶を験めようか!樺色地に薄墨の豹紋を散らして、光りの屈折に随つては、真紫に輝く見るも鮮やかな幻色を呈するのだ。或ひは土の上を飛んでゐる一個のミチシルベをつまみあげて見 …