奥深い芸術の殿堂であつた。 山門をくゞり、径道をのぼつて、堂のほとりに達すると、常緑樹の翠の香が煙りの如く漂ふてゐた。 薄暗い廻廊を幾曲りして、(おゝこれは何といふ手のこんだ誤り易い、困難な、そして厄介な廊下であることよ。訪者は、ムカツ肚を …
著者 | 牧野信一 |
ジャンル | 文学 > 日本文学 > 評論 エッセイ 随筆 |
初出 | 「新正統派 第一巻第八号(九月号)」新正統派社、1928(昭和3)年9月1日 |
文字種別 | 新字旧仮名 |
読書目安時間 | 約2分(500文字/分) |
朗読目安時間 | 約2分(300文字/分) |