『余話(秘められた箱)(よわ(ひめられたはこ))』
厳格らしい母だつた。 幼時余は、母に、論語を学び、二宮尊徳の修身を聴講し、ナシヨナル・りいどる巻の一に依つて英語を手ほどかれ、和訳すゐんとん万国史を講義された。それらの記憶は、酷く曖昧である。論語では、母のそれでは、友アリ遠方ヨリ来ル云々に …