四月に書いた「父を売る子」は思ひ出すだけでも閉口したが、此頃になつては澄んだ心で夢のやうな気がする。三月の始めに十二三枚書いて、たしか退屈してそれなりに放つておいたのだが、その月に父が急死した、そして四月になつてから凋まうとする心に鞭打つて …
著者 | 牧野信一 |
ジャンル | 文学 > 日本文学 > 評論 エッセイ 随筆 |
初出 | 「新潮 第四十一巻第六号(十二月号)」新潮社、1924(大正13)年12月1日 |
文字種別 | 新字旧仮名 |
読書目安時間 | 約2分(500文字/分) |
朗読目安時間 | 約2分(300文字/分) |
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