夕方六時半の汽車で東京へ帰る中戸川を送る。彼は一昨日の晩大阪へ行くつもりで寝台券まで用意してゐたのに、僕が引き止めてゐるうちに行くのが厭になつて折角旅支度で出かけて来たのに引き返したのだ。気の毒な気がした。今日は家の留守を預つてゐる僕につき …
著者 | 牧野信一 |
ジャンル | 文学 > 日本文学 > 日記 書簡 紀行 |
初出 | 「文學世界 第二巻第二号(二月号)」文學世界社、1923(大正12)年2月1日 |
文字種別 | 新字旧仮名 |
読書目安時間 | 約1分(500文字/分) |
朗読目安時間 | 約1分(300文字/分) |