寒い夜の自我像さむいよるのじがぞう
きらびやかでもないけれど、 この一本の手綱をはなさず この陰暗の地域をすぎる! その志明かなれば 冬の夜を、われは嘆かず、 人々の憔燥のみの悲しみや 憧れに引廻される女等の鼻唄を、 我が瑣細なる罰と感じ そが、わが皮膚を刺すにまかす。 蹌踉 …
題名が同じ作品
寒い夜の自我像 (新字旧仮名)中原中也 (著)