緑雨と一葉りょくうといちよう
かの日都を落ちて船橋にやどり申候きのふより市川町に戻りて百姓家を借りうけ、ともかくすごし居り候 今宵は松葉の土手と申すを下りて渡船にのりて月を觀候なみ/\の旅ならねば落人の身の上いとゞ悲しく候 これは殘少き眞間のもみぢに候處の名とは申ながら …