唯物史観と現代の意識ゆいぶつしかんとげんだいのいしき
すでに雜誌『思想』へ唯物史觀覺書として載せた三つの論文に、いま新たに草した「ヘーゲルとマルクス」なる一篇を加えて、人の勸めに從つて、私はここに一小册子を編む。固よりどこまでも覺書である。ここでは凡てが單に暗示されてゐるのみであつて未だ十分に …