昔尊くむかしとうとく二千六百年を迎えてにせんろっぴゃくねんをむかえて
もう丁度、五十年の昔になりましょうかしら、たしか、私の十九歳の頃のことでした。明治二十五、六年の、忘れもしない四月二十一日の夜明方、隣の雑貨屋さんから火が出まして、私どもの家もおかげで半焼のうき目にあったのでした。その頃私たちは四条通りの非 …
作品に特徴的な語句
しま 薬罐やかん