すさまじい光景だ。人が行く。荷馬車が行く。乗合自動車が行く。鈴生になつてゐる電車が行く。路も歪んでゐる。樹も曲つてゐる。空も三角になつて見える。何うしても立体派の絵画といふ気がした。私は草鞋穿きに脚絆といふ姿で二食の結飯を脊負つて、焼跡をそ …
著者 | 田山録弥 |
著者 | 田山花袋 |
ジャンル | 文学 > 日本文学 > 記録 手記 ルポルタージュ |
初出 | 「週刊朝日 十月増刊」1923(大正12)年10月10日 |
文字種別 | 新字旧仮名 |
読書目安時間 | 約7分(500文字/分) |
朗読目安時間 | 約11分(300文字/分) |