神経家の言しんけいかのげん
新世紀に出た正宗白鳥君の『古手帳』の中に、『蟲齒が痛んで苦んだ。琺瑯質が壞れて神經が現はれるのださうだ。心の琺瑯質が壞れて、露出した外界の熱さ寒さに觸れたら、どんなに痛いだらう。』といふ句があつた。新人の言、神經家の言。 …