忘れものわすれもの
ポストのところまで歩いて行くと、彼はポケットから手紙を取出した。そして何だか変だとは思ひながら、ポストの口へ入れて行ったが、指を離した瞬間、はっと気がついて顔を歪めた。切手がまだ貼ってなかったのだ。馬鹿。あの手紙を受取る里の親達は嘸、馬鹿と …