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『稲妻』
ふりがな文庫
『
稲妻
(
いなずま
)
』
疲れてゐるのに芳子の神経はたかぶってゐた。遙か窓の下の街の方では自動車がひっきりなしに走ってゐた。時々省線電車のゴーと云ふ響も耳についた。身動きすればベットは無気味に軋った。すやすや睡ってゐるらしい夫を起してはと思って芳子はぢっと悶えを耐へ …
著者
原民喜
ジャンル
文学 > 日本文学 > 小説 物語
文字種別
新字旧仮名
読書目安時間
約3分(500文字/分)
朗読目安時間
約5分(300文字/分)