熟した果実がおのずから落ちるように、ほっかりと眼が覚めた。働けるだけ働いて、寝たいだけ寝た後の気分は、安らかさのうちに一味の空しさを含んでいる。…… 妻はもう起きて台所をカタコト響かせている。その響が何となく寂しい。……寂しさを感じるようで …
| 著者 | 種田山頭火 |
| ジャンル | 文学 > 日本文学 > 詩歌 |
| ジャンル | 文学 > 日本文学 > 評論 エッセイ 随筆 |
| 初出 | 「層雲 大正六年一月号」1917(大正6)年1月 |
| 文字種別 | 新字新仮名 |
| 読書目安時間 | 約3分(500文字/分) |
| 朗読目安時間 | 約5分(300文字/分) |