丹藤川〔「家長制度」先駆形〕たんどがわ〔「かちょうせいど」せんくけい〕
火皿は油煙をふりみだし、炉の向ふにはこの家の主人の膝が大黒柱を切って投げ出しどっしりがたりと座ってゐる。 その息子らは外の闇から帰って来た。肩はばがひろくけらを着て馬を廐へ引いて入れ、土間でこっそり飯をたべそのまゝころころ寝てしまった。 も …