我思古人がしこじん
この夏も末になつてから漸つと「晩夏」が校了になり、ほつと一息ついてゐたら、甲鳥書林から何だか部厚い小包が屆いた。何かと思つたら、一束の檢印紙だつた。ひどく凝つた檢印紙で、一枚々々丁寧に印を捺さなければならないやうな代物なので、やれやれと思つ …