手習鑑見物記てならいかがみけんぶつき
歌舞妓の春を謳歌するには、稍物寂しいが、其でも尚最後の花盛りに見呆けて愉しむことの出来る「手習鑑」昼夜通しの興行である。無理算段して百花繚乱たる様を見せようとするのは、見物の心を知らぬ興行者の老婆心である。 尚二三度、菊五郎自身が洗ひあげる …