『一匹の馬(いっぴきのうま)』
五年前のことである 私は八月六日と七日の二日、土の上に横たわり空をながめながら寝た、六日は河の堤のクボ地で、七日は東照宮の石垣の横で——、はじめの晩は、とにかく疲れないようにとおもって絶対安静の気持でいた、夜あけになると冷え冷えして空が明る …