長唄のためにながうたのために
私どもの様に大阪の町の中に育つた者にとつては、江戸長唄は生れだちから縁が少かつた。 上方では、旧幕時代から引き続いて、明治の中頃に到るまで、関東から来た芸謡は、すべて、長唄であらうと、清元であらうと、一中であらうと、新内であらうと、皆ひつく …