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『災厄の日』
ふりがな文庫
『
災厄の日
(
さいやくのひ
)
』
自分の部屋でもないその部屋を自分の部屋のやうに、古びた襖や朽ちかかつた柱や雨漏のあとをとどめた壁を、自分の心の内部か何かのやうに安らかな気持で僕は眺めてゐる。湿気と樹木の多い日蔭の露路にこの下宿屋の玄関はあつて、暗い階段をのぼつた突当りの六 …
著者
原民喜
ジャンル
文学 > 日本文学 > 小説 物語
文字種別
旧字旧仮名
読書目安時間
約26分(500文字/分)
朗読目安時間
約44分(300文字/分)