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『飢ゑ』
ふりがな文庫
『
飢ゑ
(
うえ
)
』
僕はこの部屋にゐると、まるで囚人のやうな気持にされる。四方の壁も天井もまつ白だし、すりガラスの回転式の小窓の隙間から見える外界も、何か脅威を含んでゐる。絶え間ない飢餓が感覚を鋭くさせるのか、ガラス一重と薄い板壁からなる、この部屋の構造が、外 …
著者
原民喜
ジャンル
文学 > 日本文学 > 小説 物語
文字種別
新字旧仮名
読書目安時間
約22分(500文字/分)
朗読目安時間
約37分(300文字/分)