嫉妬する夫の手記しっとするおっとのしゅき
○ 四月二日、Oがうちへ泊りに来た。 はじめに妻は、客が居ると手足を縛られるものだから、その滞在を荷厄介にしてゐた。また女中を雇はないかと或る時妻に云つたら、妻は出費の嵩むのを恐れて、そんな贅沢は出来ません、それにお客様もやがてゐなくなるの …