春の落葉はるのおちば
翌日は明るくはれた初夏らしい日であつた。 ごたごたと敷かれた寢床をあげてしまふと、柩のなくなつた家の中は、急に廣々として何となく物足りなかつた。 早起きの伯父は老人らしいきちようめんな調子で若い者を起して歩いた。 一ばん年下の恭介叔父は、頭 …