国分一太郎君の仕事こくぶいちたろうくんのしごと
国分一太郎君が、私と親しくなったのは、昭和二年、同君が師範の三年で、私が師範の専攻科時代に始まる。その頃二人は、同じ汽車のなかで短歌を語ったり、万葉を語ったりしていた。それから十年あまり、私と国分君とは兄弟以上の親しさになり、よろこびもかな …