小説・評論集「文学母胎」後記しょうせつ・ひょうろんしゅう「ぶんがくぼたい」こうき
本書の性質を一言しておく。 私は嘗て、李永泰なる人物を見まもっていた。彼の時折の行動について、四つの短篇小説を書いた。最後に、彼の決定的発展段階を示す中篇或は長篇を、書くつもりでいた。その時、彼の前面に、他の人物が大きく立ち現われてきた。如 …