外に出るのは誰も具合が悪かつた。 それで、飽きもせず彼等は私の部屋に碌々とし続けた。(——と私は今、村での日日を思ひ出すのである。つい此間までの村の私の勉強室である。私は余儀なく村を立ち去つて、今は都に迷ひ出たばかりの時である。) 向ひ側の …
著者 | 牧野信一 |
ジャンル | 文学 > 日本文学 > 小説 物語 |
初出 | 「時事新報 第一六三九七号~第一六四〇一号」時事新報社、1929(昭和4)年2月10日~14日 |
文字種別 | 新字旧仮名 |
読書目安時間 | 約12分(500文字/分) |
朗読目安時間 | 約19分(300文字/分) |