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『夏秋表』
ふりがな文庫
『
夏秋表
(
かしゅうひょう
)
』
その一 私はふたつのさびしい虫のいのちと交感を持った。 信濃路に夏の訪れのあわただしい日、私は先生の山荘の庭に先生とならんで季節の会話のひまにその虫の声を聞いたのである。春蝉と言った。七月なかば、五日か七日をかぎって、林のなかに啼いて、あと …
著者
立原道造
ジャンル
文学 > 日本文学 > 評論 エッセイ 随筆
文字種別
新字新仮名
読書目安時間
約4分(500文字/分)
朗読目安時間
約6分(300文字/分)