もうひと息もうひといき――芥川賞(第三十回)選後評――――あくたがわしょう(だいさんじっかい)せんごひょう――
候補作品九篇のうち、私が最も推賞に値すると思つたのは、庄野潤三の「流木」と小島信夫の「吃音学院」であつた。 委員会の席上、広池秋子の「オンリー達」を支持する声が二三あつたけれども、私は賛成しかねた。 庄野潤三は既に、単行本も出てゐる新進作家 …