遺憾の弁いかんのべん――芥川賞(第二十四回)選後評――――あくたがわしょう(だいにじゅうよんかい)せんごひょう――
今期は該当作品なし、といふ決定をみた経過については、私から特に説明する必要はないと思ふ。私もそれに異議はなかつた。 候補作品九篇は、それぞれに候補作品たる理由と資格とをもつてゐたのだから、それにふさはしい特質だけは備へてゐるものだが、さて、 …