芥川賞(第二十回)選評あくたがわしょう(だいにじっかい)せんぴょう
私の手許に送られて来た作品は、いづれもなかなか佳いものであつた。そのうちでもいろいろな点からみて、いま特に推奨したいと思つたのは「技術史」であつた。「春」もある意味では面白く、「雁立」は十分に傑れたところは認めるが、これを今日取り立てゝ世間 …