『南方絵筆紀行』の序『なんぽうえふできこう』のじょ
明石哲三君は鋭い感覚の画家であり、「生きもの」に興味をもつ自然科学者であり、しかも、最も人間の原始的なすがたを愛する詩人である。 彼はその性情と肉体の特殊な偏向によるのであらうか、特にいはゆる「南方」の土と空とに惹かれ、屡々飄然と一嚢を肩に …