『陸軍士官から（りくぐんしかんから）』
日清日露両戦役をはさんで、軍人の家に生れ育つた私は、「大きくなつたら何になる」といふ問題を、至極簡単に考へてゐた。友達が中学にはひる頃、私は幼年学校にはひり、それから十年間、全く、世の中と没交渉な生活を送つた。自分の気質が、軍人には向かない …
著者岸田国士
ジャンル文学 > 日本文学 > 評論 エッセイ 随筆
初出「昭和七年新文芸日記」新潮社、1931（昭和6）年11月20日
文字種別新字旧仮名
読書目安時間約1分（500文字/分）
朗読目安時間約2分（300文字/分）