『紙風船』について『かみふうせん』について
この作は、順序としては私の第四作である。処女作「古い玩具」を大正十四年の春、当時山本有三氏の編輯にかかる「演劇新潮」に発表し、第二作「チロルの秋」を同年秋、同誌のために書き、その翌年の四月であつたか、文芸春秋から、その戯曲号へ三十枚ほどのも …