横槍一本よこやりいっぽん――外国文学の『味』――――がいこくぶんがくの『あじ』――
この頃、二三の人が新聞や雑誌でかういふ議論をしてゐる。 「外国文学を味はふ場合、その国の人が味はひ得る味を、外国人たるわれ/\が同じやうに味はふことは不可能である」 至極尤もな説である。 多くの人々と同様、僕も、此の問題については再三考へた …