トップ
>
『過剰の意識』
ふりがな文庫
『
過剰の意識
(
かじょうのいしき
)
』
何年前であったか、親不知子不知のトンネルをでたころであった。前に座っていた胸を病んでいると思える青年が、突然 「ああ海はいい、海はいいなあ……」 といって、一直線にのびている黒い日本海の水平を、むさぼるように凝視しつついうのであった。そして …
著者
中井正一
ジャンル
文学 > 日本文学 > 評論 エッセイ 随筆
初出
「シナリオ」1951(昭和26)年7月号
文字種別
新字新仮名
読書目安時間
約5分(500文字/分)
朗読目安時間
約8分(300文字/分)