五月の朝の花ごがつのあさのはな
ものものしい桜が散った。 だだっぴろく……うんと手足を空に延ばした春の桜が、しゃんら、しゃらしゃらとどこかへ飛んで行ってしまった。 空がからっと一たん明るくなった。 しんとした淋しさだ。 だが、すこし我慢してじっと、その空を仰いでいた。 じ …
題名が同じ作品
五月の朝の花 (新字新仮名)岡本かの子 (著)