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『谷崎潤一郎氏』
ふりがな文庫
『
谷崎潤一郎氏
(
たにざきじゅんいちろうし
)
』
僕は或初夏の午後、谷崎氏と神田をひやかしに出かけた。谷崎氏はその日も黒背広に赤い襟飾りを結んでゐた。僕はこの壮大なる襟飾りに、象徴せられたるロマンティシズムを感じた。尤もこれは僕ばかりではない。往来の人も男女を問はず、僕と同じ印象を受けたの …
著者
芥川竜之介
ジャンル
文学 > 日本文学 > 評論 エッセイ 随筆
文字種別
新字旧仮名
読書目安時間
約2分(500文字/分)
朗読目安時間
約3分(300文字/分)