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『蔵の二階』
ふりがな文庫
『
蔵の二階
(
くらのにかい
)
』
焼跡の中に、土蔵が一つある。この土蔵も、戦災の焔をかぶったので、ずいぶん破損している。上塗りの壁土は殆んど剥落して、中塗りの赤土や繩が露出し、屋根瓦も満足でなく、ひょろ長い雑草が生えて風にそよいでいる。二階の窓には、錆び捩れた鉄格子がついて …
著者
豊島与志雄
ジャンル
文学 > 日本文学 > 小説 物語
初出
「思索」1949(昭和24)年4月
文字種別
新字新仮名
読書目安時間
約27分(500文字/分)
朗読目安時間
約45分(300文字/分)