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『山上湖』
ふりがな文庫
『
山上湖
(
さんじょうこ
)
』
十月の半ばをちょっと過ぎたばかりで、湖水をかこむ彼方の山々の峯には、仄白く見えるほどに雪が降った。翌日からは南の風で少し温く、空晴れて、宵に大きな月がでた。 「まあ、きれいな月……。外に出てみよう。」 誘うともなく、誘わぬともなく、言いすて …
著者
豊島与志雄
ジャンル
文学 > 日本文学 > 小説 物語
初出
「新潮」1949(昭和24)年1月
文字種別
新字新仮名
読書目安時間
約22分(500文字/分)
朗読目安時間
約37分(300文字/分)